こんにちは。
カリエーレ・コンサルタンツ、キャリアコンサルタント佐渡治彦です。
SDGsの17の目標のうちの一つ、「働きがいも経済成長も」に明記されている「誰もが人間らしくきちんとした生活ができるような仕事に就けるようにしていこう」という意味のディーセント・ワークの実現には、社会正義(ソーシャルジャスティス)のキャリアコンサルティング、社会正義のキャリア支援が、重要と述べてきました。
社会正義のキャリアコンサルティングとSDGs
https://note.com/haru07060715
/n/nb1783e80e325
しかし、この考え方は、所詮、「理想論」ではないかという指摘もあります。
確かに、このような美辞麗句をいくら唱えていても、ブラック企業、今、世界で問題になっている搾取といった解決に直ぐに結びつかないかもしれません。
この「理想論」について、日本の「社会正義のキャリア支援」研究の第一人者、労働政策研究・研修機構キャリア支援部門副統括研究員、下村英雄氏は、著書「社会正義のキャリア支援」で、
「まさに、社会正義論とは、その理想論にこそ主眼があると答えることができるでしょう。」と述べています。
つまり、社会正義論とは、様々なキャリア理論の理想に、さらに加えて、社会を良くする、環境に働きかける、世の中の社会正義を実現するという理想を提案する議論であるとのことです。
実際に何をやるかという点で言えば、キャリア支援にそれほど目新しい実践があるわけではありません。
どのようなつもりでやるかのか、そこに大きな違いがあると下村氏は述べています。前のブログでも述べたように「スタンス」が重要なのです。
「認識において悲観的、行動において楽観的」☆SDGsの目標・ディーセントワークの実現に重要な「スタンス」
https://note.com/haru07060715
/n/n79f0b9957af8
キャリアコンサルティングをしていればこそ、知り得た問題意識・現状把握・現状認識を適切に社会や組織にフィードバックし、それによって、より住みやすい社会や環境に少しずつ変えていく活動に関わっていくことが出来ます。
社会正義のキャリアコンサルティング、社会正義のキャリア支援は、もちろん個人の支援をしますが、その背景に社会問題が根深くかかわっていることを重視します。
一人のキャリアコンサルタントの力では社会は変革できません。
しかし、「理想論」でも社会正義のキャリア支援の意識を持ち、日々のキャリアコンサルタントたちの実践の積み重ねが、よりよい社会の実現に結びつくのではないでしょうか。
それは、SDGsの目標である「働きがいも経済成長も」に明記されているディーセントワークの実現につながっていくのでしょう。
この記事へのコメントはありません。