こんにちは。
カリエーレ・コンサルタンツ、キャリアコンサルタント佐渡治彦です。
今回のブログでは、6種類の「社会正義のキャリアコンサルティングのフレームワーク(枠組み)」のうち、クライアントの代わりに行動する中の「公共空間」のフィールドのフレームワークである「社会的・政治的アドボカシー」について述べます。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/49660646/picture_pc_8dced4a2642607c6684e10693df9f860.jpg)
社会正義のキャリア支援論で、最も重視しているにもかかわらず、説明、理解するのが難しいのが「社会的・政治的アドボカシー」です。
ここでのキーワードでは、「チェンジ・エージェント」。
日本語で訳すと「変革の主体」と言えるでしょう。色々な意味で使用されますが、例えば、クライアント自身が、自らの考え方や行動を変化させる主体である「変革の主体」と考える意味で使用します。
しかし、社会正義論の「チェンジ・エージェント」は、
少し意味が違います。
ここでは、クライアントが直面している困り果てた問題のある制度、
システム、仕組みなどを変えるために、キャリアコンサルタントが自身が、
自ら、直接、社会を「変革させる主体」になるという意味で使用します。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/49661392/picture_pc_996f9ec4ae071a09494c23ff101a6ea2.jpg)
米国カウンセリング学会の社会正義のフレームワークでは、より具体的な社会的、政治的な行動が列挙されています。
例えば、
社会的、政治的な行動によってうまく解決できる問題を特定する。変革のために既存の協力者を支援する。
協力者とともに、議員やその他政策決定者にロビー活動する。
などです。
労働政策研究・研修機構キャリア支援部門副統括研究員、下村英雄氏は、
こうした行動は、行動が整っている場合には、キャリアコンサルタントは、積極的に参加・参画するのが良いと述べています。キャリアコンサルタントの職域ではないと拒否し、排除しないことが大切とも指摘しています。
だたし、こうも述べています。
「社会的・政治的アドボカシー」ということをあまり難しく考える必要はないということです。
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/49661661/picture_pc_1fa7f729d63d889483d161726568be20.jpg?width=800)
「政治的」と言えば、随分大げさに聞こえますが、民主主義の世の中では、
まずは自分と同じような問題関心を持つ仲間を作ることが、その第一歩だそうです。
そのためには、キャリアコンサルタントのどうしで、個人的な勉強会、研修会のような集まりを作ることが重要です。
身近で共通した問題を感じるキャリアコンサルタントたちが、個々のクライアントの問題だけでは収まらない、もっと大きな社会全体の課題として考えた方が良い問題だとしたら、みんなで共同に情報発信していくことが出来るからです。
自分で仲間も集めてキャリアコンサルタントの集団を作れそうな人は、そうすれば良いですし、そのような行動が不得意な人は、自分の入れそうな集団のメンバーになれば良いです。
集団が大きくなればなるほど、その集団は発言力が増します。
そして、役所、公共機関、マスメディア、国会議員などに直接的な働きかけが出来るようになります。
ですので、自分が共感し、共鳴するグループのメンバーになることは、その集団の活動を大きく盛り上げる意味があるのです。
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/49661907/picture_pc_21f195a3a0e24c85905b5f72f1326e03.jpg?width=800)
昨今のキャリアコンサルタントの活動を観察していると、セミナー講師、企業研修、国家試験対策講師といった領域に力を入れている人たちが、多い感じがします。
キャリアコンサルタントとして、「社会的・政治的アドボカシー」を意識して、社会問題の解決の一翼を担う役割もキャリアコンサルタントにはあることを認識して活動していくことも重要と思います。
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