カリエーレ・コンサルタンツ、キャリアコンサルタント佐渡治彦です。
前回のブログで「キャリア」はエリートのものだけではない、
「全員のためのキャリア(Careers for all)」という考え方、つまり、キャリアコンサルタントなどのキャリア支援が、
人々の自己実現を応援し、自分の能力を最大限に発揮し、自分なりに最高の人生を歩めるようにするものであることは間違いないという、フーリーの考え方を述べました。フーリーは、都会の大企業で働くエリート層のキャリアも認めつつ、
それでもキャリアは全員のものであり、エリートのためだけではない
と主張しています。
しかし、現実には、自己実現などキャリアを自分で形成していくことが
難しい人達もいることも事実です。そこで、フーリーは社会正義の概念を持ち出し、キャリ支援の理論を展開していくと日本の「社会正義のキャリア支援」研究の第一人者、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)キャリア支援部門副統括研究員、下村英雄氏は述べています。
キャリア支援は、キャリアコンサルタントが、単に個人だけを対象とするのではなく、人々が自己実現しやすいような環境を整備したり、社会に向けて働きかけたりする必要がある。
自己実現は、エリート層だけに許されたものではなく、誰にとっても大切なことです。
だから、社会正義のキャリア支援を行うキャリアコンサルタントは、
誰にとっても自己実現が可能な社会になるように働きかけていくことが、
重要な役割があるという理論の展開です。
誰もが自己実現しやすい社会にするために、キャリアコンサルタントは、
行政、企業、学校などの組織、制度などに働きかけをしていく役割もあるとフーリーのキャリア支援の考え方にはあると思います。
参考文献:「社会正義のキャリア支援」図書文化社・下村英雄著
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