こんにちは。
カリエーレ・コンサルタンツ、キャリアコンサルタント佐渡治彦です。
今、転職活動をしている皆さんは、ある意味で「人生の転機」と言えます。
転職の多い方の中には「私は人生の転機の連続」で、転職なんて転機じゃないと言われる方もいるかもしれません。
ただ、少なくともキャリアコンサルティングを受けられている皆さんは、現状をより良くしたい、出来るだけ希望に合った職に就きたいと思っているのではないでしょうか。
その意味で「転機」と言えるでしょう。
今回は、キャリアコンサルタント資格受験者が、国家試験で必ず覚えなければならない転機を乗り越える理論をご紹介しますね。
「シュロスバーグの4S」と言います。
元全米キャリア開発会長で、メリーランド大学のカウンセリング心理学名誉教授のナンシー・K・シュロスバーグ氏は、以下のように転機を乗り越える方法を唱えています。
「人生はさまざまな転換(転機)の連続からなりたっており、
それを乗り越える努力と工夫を通してキャリアは形成され開発される。
誰もが経験する「転機」について着目し、転機によるマイナスの影響を最小限に抑えられるよう、転機に論理的に対処することが大切」であり、
転機を乗り越える方法を体系化して提唱しています。それでは、その転機を乗り越えるには具体的にはどのようにすればよいのでしょうか?
転機を乗り越える方法をご紹介します。
リソース(資源)の点検(4Sの点検)をする。
*リソース(資源)とは、自分の持つているモノ、使えるモノ、サービスと捉えてよいかもしれません。直面した転機に対して、自分の利用できる4つのリソース(資源)を点検することで転機を客観的に見ることができ、乗り切るための具体的な行動計画につなげ実行していきます。
4つのリソース【状況(Situation)、自己(Self)、支援(Supports) 、支援(Supports)】のそれぞれ頭文字をとって「4S」と呼ばれます。
① 状況(Situation)
・転機の元となるきっかけは何なのか?
・転機は予期していたことか?想定外のことなのか?
・転機は一時的なものか?長く続くものなのか?
・同じような転機を乗り越えた経験はあるか?
・転機に伴うストレスの大きさ
・転機は自分にとってプラスと見るか、マイナスと見るか?
・転機は自分にとって良いタイミングか?悪いタイミングか?
・転機に対して自分がコントロールできるところがあるか?それはどこか?
② 自己(Self)
・将来、自分はどうしていきたいと思っているのか?
・自分の人生にとってこの転機はどういう意味があるか
・転機に自分のスキル、経験は活かせるか・仕事やプライベートのバランスをどう考えているか?
・変化への対応能力はどの程度ありそうか?
③ 支援(Supports)
・自分が必要とする支援をしてくれる人はいるか?(上司、同僚、家族等)
・この転機によってこれまで得られた支援の機会が得られなる、または
減ってしまう支援はあるか
・必要な情報、知識を得る手段はあるか(学ぶ機会や人脈)
・精神的な支え、励まし、応援をしてくれる人はいるか
・必要となった場合、経済的支援など実質的な支援が得られるか
④ 戦略(Strategies)
・転機への対応として考えられる手段/方法はできる限り検討したか
・転機の持つ意味について様々な視点で捉えてみたか
・転機による精神的なストレスの軽減を検討しているか
以上4Sを点検したうえで、気づいたこと、転機をどう受け止めるか、複数の戦略から実行することを選んだり、新たに考え直したりしながら、転機を乗り越えるために具体的な行動計画を立てて実行していきます。
シュロスバーグは、人生は転機の連続であり、それをいかに乗り越えるかでその人のキャリア発達は変わってくるとも言っています。
簡単に言ってしまうと、自分の持っている資源をフル活用して、マイナスを最小限にして、今後の人生を前向きに考えて、実行していきましょうといったところでしょうか。
私も今、これまでの人生を振り返ってみると、リーマンショックの時に大きな「転機」があり、キャリコンサルタントの道に進みました。
その後も「転機」の連続でしたが、4Sを点検して前向きな行動をすることとで、現在に至っています。就活中の皆さんも、是非、4Sを点検してみてくださいね。
紙に鉛筆などで思ったことを書く出してみるのも一つの方法ですよ。
迷ったら、キャリアコンサルタントと話してみましょう。
これまで気づかなかった4Sに気づくかもしれませんよ!就活、ファイト!!
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