こんにちは。
カリエーレ・コンサルタンツ、キャリアコンサルタント佐渡治彦です。
以前、ブログで、クライアントは将来のキャリアの考えを深め、
将来を切り開くことができる、キャリア支援の現代の代表的な研究者フーリーの「5つの質問」のうち2つを解説しました。
https://note.com/haru07060715/n/n2eb0d9870e5b今回は、以下、残りの3つについて、解説しますね。
③ 私は世の中のどこに属するのか(Where do I fit into the world?)
④ 私は世の中の他の人とどう生活していくのか
(How can I live with others in the world?)
⑤ 私は世の中を変えることにどう取り組むのか
(How do I go about changing the world?)
以上3つの質問です。
まず、
③ 私は世の中のどこに属するのか(Where do I fit into the world?)
について。
この質問は、自分と職業のマッチングを言っています。
通常のキャリアコンサルティングです。ただ、社会の中に居場所を見つけると言ったニァンスも含まれています。
社会正義(ソーシャルジャスティス)のキャリアコンサルタントとして
社会の中心から追いやられて少数派として存在する人々が、世の中のどこに自分を収めるのかという視点を重視しています。
次に
④ 私は世の中の他の人とどう生活していくのか
(How can I live with others in the world?)前の③ 私は世の中のどこに属するのか(Where do I fit into the world?)が、個人として、自分が活用できる機会を見つけ、それを最大限に活かし、
なければ新たに作ると言ってるに対し、
④ 私は世の中の他の人とどう生活していくのか(How can I live with others in the world?)は、集団として、みんなでやるにはどうすればよいかを考えるように求めた質問です。
そして、
⑤ 私は世の中を変えることにどう取り組むのか(How do I go about changing the world?)
この質問は、④ 私は世の中の他の人とどう生活していくのか(How can I live with others in the world?)の延長線上にあります。共同で、みんなでキャリアの問題を解決するだけではなく、さらに発展させ、キャリアや仕事の問題で困っている人がいるならば、力を合わせて変えていこうという考え方です。
社会正義(ソーシャルジャスティス)のキャリアコンサルタントの最終目標は、皆で住みよい社会に変えていく行動へと結びつけていきます。
と言っても、直接的な政治活動など難しいことを言っているわけでなく、投票や呼びかけ、社会的、政治的な変革について市民の役割として考えていきましょうという意味です。
日本の「社会正義のキャリア支援」研究の第一人者、
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JIPT)キャリア支援部門副統括研究員、下村英雄氏は、フーリーが強調したいのは、
④ 私は世の中の他の人とどう生活していくのか
(How can I live with others in the world?)
⑤ 私は世の中を変えることにどう取り組むのか(How do I go about changing the world?)
この2つの質問だと述べています。この2つの質問にフーリーの社会正義(ソーシャルジャスティス)のキャリア支援の研究者らしさが、はっきり現れているそうです。
キャリアの問題はたんに個人で解決するしか方法がないとは考えていません。
みんなで協力してキャリアの問題を解決すると信じているフーリーの理想が現れています。
参考文献「社会正義のキャリア支援」図書文化社・下村英雄著フーリーは欧州の学者では左派に属します。
このまま、現在の日本社会に支持されるか否かは、不透明だと思います。ただ、キャリアの問題を一人で解決するのではなく、行政、企業、学校など組織にも協力を仰ぎながら解決していく。
そして、実践例として、集団でビジネスを起こしたり、社会的企業あるいは社会事業、NPOなどを設立して、自分たちで働く場を自ら作り出し、確保することまで言及しています。
こうした考えは、資本主義の日本社会にも受け入れられるのではないでしょうか。
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