こんにちは。
カリエーレ・コンサルタンツ、キャリアコンサルタント佐渡治彦です。
前回のブログで6種類の「社会正義のキャリアコンサルティングのフレームワーク(枠組み)」を紹介しましたが、
今回は「クライアント」のフィールドで「クライアントと一緒に行動する」と「クライアントの代わりに行動する」の2つのフレームワークについて述べたいと思います。
上記のことをまとめると下記の通りとなります。
「クライアント」ー「クライアントと一緒に行動する」
1.クライアントのエンパワメント
「クライアント」ー「クライアントの代わりに行動する」
2.クライアントのアドボカシー
「クライアントのエンパワメント」のフレームワークは、普通のキャリアコンサルティングという意味です。
社会正義のキャリアコンサルティングと言っても、やはり1対1の個別の相談がベースとなっています。
1対1の個別のキャリアコンサルティングが無視されるのではなく、あくまで個別のキャリアコンサルティングがベースとなって、その上で何が出来るのかを述べているのがこのフレームワークです。
ただ、一方で1対1のキャリアコンサルティング以外にも、やれること、やっても良いこと、やるべきことがほかにもあることが重要です。
キャリアコンサルタントになった人は、多くは人のキャリア、労働、仕事に興味を持った人たちだと思います。1対1のキャリアコンサルティングだけでなく、もっと社会に直接に関わる活動を考える人もいるでしょう。
1対1のキャリアコンサルティングをベースにしたり、専門性を活用して活動していくことが、その他5種類の「社会正義のキャリアコンサルティングのフレームワーク(枠組み)」です。
そのうちの一つが、次のクライアントのアドボカシーです。
クライアントのアドボカシーは、1対1のキャリアコンサルティングから1歩出して、「クライアントの代わりに行動する」真っ先に上がる活動です。
キャリアコンサルティングの基本的な考えは、「自己決定権」です。
クライアントが自分で進路を選択して、自ら行動できるようにする支援が原則です。しかし、クライアント一人ではうまく行動できない場合、もしくは、キャリアコンサルタントが直接、手を貸したほうが問題解決が容易な場合がります。
そこで、キャリアコンサルタントがクライアントに代わって行動を起こし、問題解決を行うことを「クライアントのアドボカシー」と呼んでいます。
もともと社会正義のキャリアコンサルティングのクライアントは、十分な教育を受けていなかったり、社会経験を積んでいないなど、自分の主張を適切にコントロールして伝えることが苦手な場合があります。
また、そうでなくても不利益を被る状況が続いた場合、メンタルヘルスに問題を抱えている場合が多く、自分の意見や考えを適切に言えない状況にある場合があります。
その他にも、企業などの組織内で立場上言えない、正論であっても言ってしまうと組織内で反発をされる場合などがあります。
本来、自分で言うべきことを自分で言えるように支援することが、キャリアコンサルタントの役割です。
しかし、それが難しい場合、「代弁者」になることが、社会正正義のキャリアコンサルティングの役割なのです。
「アドボカシー」とは、まだ、日本では聞きなれないキーワードですが、
問題を抱えているクライアントを組織・社会に知らせ、代弁して何らかの示唆・提言を行う活動と考えてください。
欧米では、一般的に使われるキーワードとのことです。
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