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求職者一人ひとりの「可能性」を拓く、未来志向のキャリア支援(社会正義のキャリア支援)

こんにちは。
一般社団法人カリエーレ・コムサ
キャリアコンサルタントの佐渡治彦です。

近年、働き方の多様化や経済状況の変動により、キャリアに関する悩みや不安を抱える人が増えています。
特に、若者や就職氷河期世代など、社会的に不利な立場に置かれている人々は、就職やキャリア形成において様々な困難に直面しています。

私たち一般社団法人カリエーレ・コムサは、「働き方に悩む人を、ゼロに。」という経営理念のもと、令和6年度は兵庫労働局の「川西市一体的実施事業における委託事業」、令和5年度は京都労働局の「京都就職氷河期世代活躍支援プラットフォーム事業」を受託し、求職者支援の公共事業に取り組んできました。

これらの事業を通じて、キャリアコンサルタントとして、社会正義のキャリア支援の重要性を強く感じています。

公共事業におけるキャリア支援の現状と課題


本年度、私たちが受託している公共事業(若者キャリアサポート川西)では、キャリアコンサルタントや社会保険労務士による相談業務、セミナーや企業面接相談会の開催など、多岐にわたる支援を提供してきました。
これらの事業を通じて、多くの求職者の方々と出会い、それぞれの悩みや課題に寄り添ってきました。
また、セミナー、合同就職説明会に実施により求職者支援を具現的に展開してきました。

これら経験で、現状の公共事業での求職者へのキャリア支援には、以下のような課題があると感じています。

  • 支援の対象者が限定的であること:
    公共事業は、特定の年齢層や状況にある人々を対象としている場合が多くいため、特定の層には支援しやすい一方で、支援を必要とするすべての人々に十分な支援がしにくい面がある。
  • 個別ニーズへの対応が必要:
    求職者の悩みや課題は多岐にわたるため、画一的な支援ではなく、一人ひとりの状況に合わせたきめ細やかな支援が必要。
  • 地域や企業との連携が不足していること:
    求職者の就職を支援するためには、地域や企業との連携を強化し、求人情報の提供や就業機会の創出を促進する必要がある。

求職者一人ひとりの「可能性」を拓く、未来志向のキャリア支援


これらの課題を踏まえ、私たちが目指すべき社会正義のキャリア支援のあり方は、以下の3つの要素を重視することだと考えます。

1. 支援の対象者を拡大し、誰もが公平に支援を受けられるようにする

年齢、性別、学歴、職歴、門地、障がいの有無などに関わらず、すべての人が公平にキャリア支援を受けられるように、支援の対象者を拡大する必要があります。
そのためには、潜在的な求職者にアプローチするとともに、出来るだけ多くの直接の面談の機会を通じ、その人その人に合ったキャリア支援が重要だと考えます。

2. 個別ニーズに合わせたきめ細やかな支援を提供する

求職者一人ひとりの個性や状況を丁寧に把握し、それぞれのニーズに合わせたきめ細やかな支援を提供する必要があります。
そのためには、キャリアコンサルタントの専門性を高め、多様な相談スキルや支援ツールを習得するとともに、関係機関との連携を強化し、専門的な支援が必要な場合には適切な機関をリファー(紹介)することが重要です。

3. 地域や企業との連携を強化し、就業機会の創出を促進する

求職者の就職を支援するためには、地域や企業、ハローワーク(行政)等との連携を強化し、求人情報の提供や就業機会の創出を促進する必要があります。
そのためには、合同就職説明会等の地域企業との交流会や企業見学会を開催し、求職者と企業のマッチングを支援するとともに、インターンシップや職業訓練など、実践的な就業支援プログラムを提供することが重要です。

キャリアコンサルタントに求められる役割


これらのキャリア支援を実現するためには、キャリアコンサルタント自身が、社会正義のキャリア支援の視点を持ち、倫理観と責任感を持って職務に取り組む必要があります。

1. 深い意味でののキャリアコンサルティング(個の内面に光を当てる)

求職者の多様な価値観を尊重し、偏見や差別を持たずに、公平・公正な支援を提供する必要があります。
そのためには、求職者が、自己理解を深め、自身の価値観や偏見に気づくとともに、多様な文化や背景を持つ人々への理解を深めることが重要です。
対話を通じて求職者の価値観、強み、弱み、そして潜在的な可能性を丁寧に引き出します。
過去の経験だけでなく、未来への希望や夢にも焦点を当て、一人ひとりが自分らしいキャリアを築けるようサポートします。
これら実現のために、深い意味でのキャリアコンサルティングを実施します。

2. 求職者のエンパワメントを支援する(自らの力で未来を切り拓く)

キャリア支援の目標は、求職者が自らの力で未来を切り拓けるようになることです。
そのためには、単に情報やスキルを提供するだけでなく、自己肯定感を高め、主体性を育むエンパワメントが不可欠です。
キャリアコンサルタントは、求職者の強みや可能性を引き出し、自己肯定感を高めるとともに、必要な情報やスキルを提供し、意思決定をサポートすることが重要です。

求職者が自身の強みや可能性に気づき、自信を持って行動できるよう、職業訓練等によるスキルアップの訓練も提案していきます。
また、成功体験を積み重ねることで、自己効力感を高め、困難な状況にも立ち向かえる力を養います。

3. アドボカシー(社会との繋がりを再構築する)

求職者が直面する課題は、個人の問題に留まらず、社会的な要因が複雑に絡み合っている場合があります。
私たち、キャリアコンサルタントは、求職者の代弁者として、社会との繋がりを再構築するために、行政、企業等の組織にアドボカシー活動(提言)にも取り組みます。

また、政策提言や情報発信を通じて、求職者が抱える課題に対する社会の理解を深め、より公正な雇用環境の実現を目指します。

今後の展望

私たちは、これらの取り組みを通じて、求職者一人ひとりが希望ある未来を拓けるよう、自己決定に基づく、進路選択の実現を推進していきます。

具体的には、以下の3つの目標を掲げ、事業を展開していきます。

  • 支援の質の向上:
    キャリアコンサルタントの専門性を高め、個別ニーズに合わせたきめ細やかな支援を提供します。
  • 支援の対象者の拡大:
    潜在的な求職者にアプローチするとともに、出来るだけ多くの面接機会を設けます。
  • 地域や企業との連携強化:
    地域企業との交流会やセミナーや合同就職説明会を開催し、就業機会の創出を促進します。

私たちは、これらの目標を達成するために、関係機関や地域の皆様と連携しながら、求職者支援の輪を広げていきます。

https://x.com/wkmn_kawanishi/status/

最後に

キャリアコンサルタントには、求職者の人生に寄り添い、求職者一人ひとりの「可能性」を拓く、未来志向のキャリア支援、別の言い方をすれば、求職者が次への一歩を踏み出せるような支援していく役割があります。

今後も、一般社団法人カリエーレ・コムサは、「働き方に悩む人を、ゼロに。」という経営理念のもとに、この仕事に誇りを持ち、日々精進していきます。

今後とも、皆さまのご支援とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

社会正義のキャリア支援:下村英雄
(独立行政法人労働政策研究・研修機構【JILPT】統括研究員)

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