こんにちは。
カリエーレ・コンサルタンツ、キャリアコンサルタント佐渡治彦です。
拙著『「キャリアコンサルタント」で自立する方法 国も推奨!今、最も注目の国家資格』にでも述べましたが、「日本のキャリアコンサルタントの父」と言われる木村周氏は「これからのキャリアコンサルタントは『どこでも、誰もが学べて、やり直しのきく社会』の実現に向けて先頭に立って活躍していかなければならないし、キャリアコンサルタントはそれができると確信している。」と唱えています。
キャリアコンサルタントの役割の中で特に「やり直しのきく社会」の実現というのがポイントです。
⼀⽣懸命やってきた⼈も、転換しようとか、失敗したというのは誰でもあるわけです。
その時やり直しがちゃんとできる、社会も受け⽌め、会社も受け⽌め、⾏政も受け⽌め、やり直しのきく社会の実現をする必要がある。
こうした考えを受け⽌める社会こそ、究極のキャリアコンサルタント、それを⽬指してやってくれるのがキャリアコンサルタントの役割と、木村氏は述べています。「いつでもどこでも誰でもが学べ、やり直しのきく社会とは、その⼈らしく、その⼈ができる範囲でいいんです。」とも木村氏は唱えています。
SNSで水泳の池江璃花⼦選⼿の発⾔に端を発する「努⼒は報われる」論争がありました。
池江選手は、白血病との闘病の末、オリンピック選手として復活しました。
その際、池江選手の「努力は報われる」とのSNSの発言に対し「努力が必ずしも報られるわけでない。努力が報われるのは一部の人だ」といった意見がありSNSで論争になりました。確かに、私も「努力した人が必ず報われる」とは思いません。
ただ、やり直しをしようとする際に、努力することは必要です。努力をしても何も報われないという社会ではなく、こうして努力している人を受け入れる社会の実現は必要だと思います。
最近、三菱総合研究所・武⽥洋⼦⽒の「ワンノッチ・キャリア・シフト」論という考え方が、注目されています。
これからのIT・AI時代、専門的知識を身に着けるために「ワンノッチ」ずつスキルアップしていくことが求められれるということです。
ノッチとは、基本的には英語で「切り欠き」「くぼみ」「切り目」「刻み目」といった意味の英語です。
つまり、一歩、一歩、刻みながら専門知識を身に着けていくキャリア形成を企業を含め社会が容認してくことは重要であるといった考え方です。
日本の「社会正義(ソーシャルジャスティス)のキャリア支援」研究の第一人者、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JIPT)キャリア支援部門副統括研究員、下村英雄氏は、この考え方は、社会正義(ソーシャルジャスティス)のキャリア支援の考え方とともにやり直しのきく社会の実現にも通じると述べています。
やり直しをする際、一歩、一歩、刻みながら専門知識を努力していくキャリア形成は、急速に進化し、先の見えずらい社会には必要になってくるでしょう。
こうした努力を認められる社会であると良いと思います。
努力で終わるのではなく成果を出すようにすることはもちろん必要です。
「その⼈らしく、その⼈ができる範囲で、いつでもどこでも誰でもが学べ、やり直しのきく社会の実現」に向け、キャリアコンサルタントをしていきたいと思います。
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