こんにちは。
一般社団法人カリエーレ・コムサ、
キャリアコンサルタントの佐渡治彦です。
転職活動をされている相談者の中には、「自分は何がやりたいのか」「どのような仕事が向いているのか」と悩まれる方が、いらっしゃいます。
もちろん、悩むことも必要です。
一方で、キャリアコンサルタントの視点からお話ししますと、転職を成功させるためには「やりたいこと」だけでなく、「できること」、そして「自分の強み・弱み」を正しく理解することが重要となります。
今回は、転職するうえで「やりたいこと」「できること」そして「自分の強み・弱み」について考えてみます。

「やりたいこと」と「できること」の違いとは
キャリア形成においては、「Will(やりたいこと)」「Can(できること)」「Must(求められること)」という3つの要素が重要です。
- Will(やりたいこと):自分が興味を持ち、情熱を感じる分野。
- Can(できること):これまでの経験やスキル、知識など、実際に遂行可能な業務。
- Must(求められること):社会や企業から期待される役割や責任。
この3つが重なる領域に、自分らしいキャリアの可能性が広がります。
特に転職活動では、「やりたいこと」だけを重視すると、企業とのミスマッチが生じる可能性があります。
企業は応募者の熱意だけでなく、実務能力や柔軟性も重視するため、「できること」を明確に伝えることが重要です。
自分が「できること」を理解することが必要です。
中途採用の場合、新卒とは違い、「やりたい」だけでは、企業はなかなか採用してもらえません。
新卒とは違い、即戦力を求める企業が多いからです。
もちろん、現在は人手不足なので、若手だとポテンシャル採用も考えられますが、人気企業だとやはり、「やりたい」だけでは採用はされにくく、その人の実績、スキル、知識、行動力など「できること」が重視されます。
また、今「できないこと」は、これから訓練を受けたり、学習することで、できるようになるのか?
誰かの助けがあればできることなのか?を見定めることも重要です。
自分の強み・弱みを自覚する重要性
転職活動において、自分の強みや弱みを正しく理解しているかどうかは、応募先企業の選定や面接での自己PRに大きく影響します。
自己理解を通じて、自分の能力や価値観を整理することで、納得のいくキャリア選択が可能になります。
強みとは何か
強みとは、他人より優れている能力だけを指すものではありません。
例えば、「人と話すのが好き」「細かい作業が得意」「責任感が強い」といった特性も立派な強みです。
重要なのは、それを具体的な経験と結びつけて伝えることです。
例: 「Excelが使えます」ではなく、 「事務職としてデータ管理を任され、関数を使って自動集計表を作成し業務効率を向上させました」と伝えることで、説得力が増します。
弱みの捉え方
弱みは、改善の余地があるポイントであり、自己成長のきっかけにもなります。
例えば、「人前で話すのが苦手」という弱みがあっても、「プレゼン研修に参加し、少しずつ自信を持てるようになった」といったエピソードを添えることで、前向きな印象を与えることができます。
自己理解の進め方
自己理解は、自分の過去の経験や考え方を整理し、強み・弱み・価値観・将来のありたい姿を理解するためのプロセスです。
以下のステップで進めると効果的です。
- 過去の経験を振り返る どのような業務に携わり、どんな成果を上げたかを整理します。
- 周囲の評価を確認する 同僚や上司からどのようなフィードバックを受けてきたかを思い出します。
- 自己分析ツールを活用する 診断シートやキャリアタイプ診断などを使うことで、客観的な視点が得られます。
- キャリア相談を受ける キャリアコンサルタントとの対話を通じて、自分では気づかなかった強みや可能性を発見できます。
最近だとAIと対話しながらまとめてみることも方法のひとつですね。
また、頭で考えるだけでなく、紙に書き出してみましょう。
書きながら、気づくこともあります。
「やりたいこと」と「できること」をつなぐには
例えば、営業職として成果を上げてきた方が「企画職に挑戦したい」と希望された場合、すぐに「未経験だから難しい」と判断するのではなく、「営業で培った市場理解や顧客ニーズの把握力は、企画業務にも活かせる」といった形で、経験を新しい職種に応用する方法を考えることが大切です。

転職者へのメッセージ
転職活動は、自分自身と向き合う貴重な機会です。
「やりたいこと」だけでなく、「できること」、そして「自分の強み・弱み」を正しく理解することで、より納得感のあるキャリア選択が可能になります。
焦らず、丁寧に自己理解を進めることで、自分らしい働き方や理想の職場に近づくことができます。
転職はゴールではなく、新たなスタートです。
自分の可能性を信じて、一歩ずつ前に進んでいきましょう。
応援します!




















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