こんにちは。
カリエーレ・コンサルタンツ、キャリアコンサルタント佐渡治彦です。
最近、日本でもスキルという言葉が、一般的に使用されるようになってきました。
「スキルアップ」「スキルを身につける」「スキルを磨く」など言われますよね。
日本の「社会正義のキャリア支援」研究の第一人者、
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JIPT)キャリア支援部門副統括研究員、下村英雄氏は、スキルに関して、こう述べています。「まず、基本的に日本以外の先進諸国では、例外なく『スキル』を重視します。労働者のスキルに限って言えば、おそらく日本が世界の先進国の中で最も軽視しています。」
海外のキャリア支援研究者の考え方は、とてもシンプルだそうです。
「学校や訓練機関でスキルを身につける。スキルを身につければ就職できる。スキルを磨けば磨くほど賃金を多くもらえる」という考え方です。
一方、日本では、「スキル」の問題があまり重視されていないそうです。
なぜなら、最大の理由は日本の雇用は「メンバーシップ型」であるため、
人柄、態度、意欲のようなパーソナリティーが重視されていて、その人が何ができるか、どういう技能、技術があるかといったスキルが重視されないと下村氏は指摘しています。
しかし、日本では「スキル」は全く無意味なのかというと、本当はそうではありません。
ある統計調査によると、ハローワークで新規求職者申し込みをした人のうち、ハローワーク通して職業訓練行った人と行わなかった人の就職率を比べてみると約10%、就職訓練を行った人の方が高かったそうです。
さらに興味深い結果として、職業訓練を受けた人の方が、賃金が職業訓練を受けなかった人より、約6000円就職後の賃金が高くなったそうです。
社会正義(ソーシャルジャスティス)のキャリア支援のひとつに、
クライアントのスキルを高めるために、学校や訓練機関に行けるよう手助けする必要があります。仕事や就職、職探しに焦るのではなく、きちんと勉強、訓練をしてもらう。
そうして、それまで十分に積み重ねられなかったスキルを少しでも取り戻してもらう支援です。
スキルを向上してもらい、就職、転職につなげていくキャリアコンサルティングです。
昨今、日本でも財界、労組が「メンバーシップ型」から「ジョブ型」への雇用を検討が行われています。
これまで以上に、個々が専門的に何が出来るかが問われてくる時代になると思います。既に、日本でも他の先進諸国、同様に「スキルの重要性」が叫ばれている時代の到来が来ているのかもしれませんね。
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