こんにちは。
カリエーレ・コンサルタンツ、キャリアコンサルタント佐渡治彦です。
今回のブログでは、6種類の「社会正義のキャリアコンサルティングのフレームワーク(枠組み)」のうち、クライアントと一緒に行動する中の「公共空間」のフィールドのフレームワークである「パブリック・インフォメーション(情報発信)」について述べます。
「パブリック・インフォメーション(情報発信)」は、社会正義のキャリア支援の中では独特の役割があります。
通常、「パブリック・インフォメーション」をそのまま訳せば、「情報公開」のような意味になります。
ただ、社会正義のキャリア支援では、クライアントが抱える問題が単に個人の問題ではなく、組織全体、社会全体、国全体の問題であることを世間一般に伝える「情報発信」する意味で捉えます。
「情報公開」というと、普通は、公共機関や役所が持っている情報の公開を意味する場合が強いですが、そうではなく、社会正義のキャリア支援では、クライアントの抱える問題の情報発信をクライアントと一緒にキャリアコンサルタント側からやっていこうとする意味で捉えます。
具体的にどう実践していくかと言うと労働政策研究・研修機構キャリア支援部門主任研究員、下村英雄氏は主に次のことを挙げています。
まず、クライアントの抑圧する壁になっているものを探すことです。
その時、クライアントの内面の心理的な壁でなく、環境的な要因から壁になっているものを探します。
クライアントの環境的要因の壁が特定できたら、印刷物、その他メディアで発信する準備をします。
場合によっては、専門家を探し連携します。
そしてこの情報発信の取組がうまくいったかを評価します。
具体的な情報発信の手段は、以下のようなものがあります。
第一に、インターネットでの情報発信です。
現在は、世の中に情報発信することが簡単になりました。
ホームページ、ブログ、ツイッターなどSNSで自分の感じたことを公表します。第二に、個人的な研究会、勉強会、学会などの会合での情報発信があります。
こうした場で、共感した人たちと情報交換することにより、自分の問題意識を共感できる人を集めていくことが出来るわけです第三に、論文や書籍での情報発信があります。
研究会や学会などで発表していけば、そのうち、論文や書籍などで自分の主張をまとめるようという流れになります。いきなりこうしたことをやる自信のない場合は、身近なインフォーマルな会合で話し合ってみます。
常に機会を見つけて、自分の持っている情報、問題意識、意見を世の中に向けて、公表していくことが重要になります。これが、最も素朴で簡単なアドボカシーの一歩になります。
インターネット、SNSが普及した現代では、広報活動、パブリック・インフォメーション、情報公開が、昔に比べて格段にやりやすくなりました。
社会正義のキャリアコンサルタントとしての活動の一つとして、キャリアコンサルティングならでは知りえた情報や事実を守秘義務に配慮しつつ、かつ、クライアントのために適切な情報公開していことは、今後、もっと真剣に追求してよい領域だと、下村英雄氏は述べています。
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