こんにちは。
カリエーレコンサルタンツ、キャリアコンサルタント佐渡治彦です。

SNS,、YouTube、TVで今や日本で最も影響力のあるインフルエンサーであるひろゆき氏。

物事の本質を鋭く考え抜き、信頼できるデーターをもとに社会の問題点を指摘し、ブレイク中です。
「それってあなたの感想ですよね？」「エビデンスを出してください」などのフレーズは記憶に残りますね。

ただ、人を有能と無能にバッサリ切り分けるのは、キャリアコンサルタントとしては、いかがなものかなぁ～と思いますが、スパチャを聞いていると思わず、ごもっともと納得してしまいます。

そんな、ひろゆき氏が良く唱えることに、ベーシックインカムがあります。

ベーシックインカムとは、社会保障制度等を議論する際、最近、唱えられる政策・制度です。

簡単に言うと最低限の所得を保障する仕組みです。

新型コロナウイルスの感染拡大により緊急事態宣言が発出され、休業要請が実施される等、景気悪化が進む中で雇用への不安も増大し、ベーシックインカムが注目を集めています。

特に若者層に対する貧困化が社会問題になってきています。

ひろゆき氏は下記のように述べています。

「今の日本政府は、医療保険とか年金とか、老後にばかりお金を使っていますよね。
そうするくらいなら、国民全体にお金を配るようにして、若者にもお金が行き届くようにしたほうがいいと思うだけです。
これからの日本は、個人の漫画家とかクリエイターとかのように、クリエイティブな方向で生き残ったほうがいい。
そのためには、最低限食うためのお金があって、他のバイトとかの労働で時間を取られないことが大事だと思うので。そこに賭けたほうがいいですよ」

また、ベーシックインカムは、ひろゆき氏の試算によると
毎月7万円を国民に配ろうと思うと、約90兆円あれば可能だそうです。
そのためには、生活保護をなくしてベーシックインカムで一本化したり、お金持ちから多く税金を取るために相続税を増やしたり、高齢者も医療費の3割負担をお願いしたりすれば、実現可能だそうです。

また、何故、日本でベーシックインカムが実現しないかという理由については、シンプルで、高齢者が反対するからそうです。
医療費の負担とか、年金とか、高齢者にとっては不利な条件がそろわないと、90兆円の予算は出せなないそうです。

＊DIAMOND onlineより抜粋

少子高齢化社会の日本社会では、若者層がすべて選挙に行っても、高齢者の票を上回ることがなく、若者層の意見が選挙に反映されにくく、高齢者の意見が社会に反映されやすいから、高齢者に支持されにくいベーシックインカム導入は、難しいようです。

ひろゆき氏のベーシックインカム導入の話の視点を、現在の世界のキャリアコンサルティングの考え方で、捉えてみます。

現在の世界の潮流であるキャリアコンサルタントの支援に社会正義のキャリア支援があります。
社会正義のキャリア支援については、noteにもたびたび、記事を書いています。

現在の世界で重視されている社会正義のキャリア支援のイデオロギーは、ラディカル（社会変革）と言われています。

これまで、キャリアコンサルティングを単に個人を対象にするのではなく、社会に働きかけ、社会をより良くすることで、問題を解決しようとする考え方です。

キャリアに問題を抱えたクライアントをラディカルな社会変革という視点から支援することと、キャリアコンサルティングの実践で少しづつ社会を変革していく発想です。

ひろゆき氏の唱えるベーシックインカム導入の考え方は、現在、日本の貧困化している若者たちに対する、社会正義のキャリア支援でいうところのラディカルな社会変革に通じるように感じます。

現在の日本でのベーシックインカム導入は、直ぐには、現実的では無いかもしれませんが、このような意見にも、今後、耳を傾けていく必要があると思います。

少子高齢化社会の続く日本社会では、高齢者の支援ばかり具現化されていてよいのだろうか？
今後、昭和のような高度経済成長が見込めない日本社会でもあります。
閉塞する日本経済の状況の中、職に就けていない若者、弱者のキャリア支援をしているとラディカルな社会変革も必要なのではないかと思う時があります。

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