こんにちは。
カリエーレ・コンサルタンツ、キャリアコンサルタント佐渡治彦です。
令和3年6月22日、中日新聞朝刊・「こう見る」に東京社会部 奥野斐記者の記事「LGBT法案また見送り」が掲載されていました。
LGBTなど性的少数者への理解増進を図る法案が、またも自民党の一部議員の反対で国会に提出されなかったことが書かれています。
法案を巡り「(LGBTは)種の保存に背く」等の問題発言も出たそうです。
記事によると、ある大学の調査では、同性愛、両性愛男性の自殺未遂は、異性を愛する男性の約6倍と高いそうです。
また、同性愛女性の約半数、同性愛男性やとランズジェンダーの半数以上にいじめ被害の経験があった。
約7割の当事者が職場や学校で差別的な発言を聞いていたそうです。法案の反対意見は、「『差別と訴える訴訟が増える』『体は男だけど女だから女子トイレに入れろとか、ばかげたことが起きている』という主張で不安をあおり、当事者の困難に寄り添う姿勢がない」と奥野記者は述べています。
私の周りには、LGPTと思われる人が見当たらないですし、これまでLGPTを問題にしたキャリアコンサルティングをしたことが無いので、当事者はどんな気持ちでいるのかよく分かりません。
ただ、社会正義のキャリア支援でも、LGPTに対するキャリアコンサルティングは、キャリアコンサルタントの倫理として、性的な少数派に偏見を持たないことが大切だそうです。
また、LGPTの社会正義のキャリア支援の特徴としては、繊細さが求められるということです。
社会の多数を占める人間にとっては、些細なこと、たいした事ないこと、ちょこっと我慢すれば済むじゃないかと思えることが、とても重要で、重たく、本質的な事だそうです。
(「社会正義のキャリア支援」独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILP)キャリア支援部門副統括研究員・下村英雄著より)
記事によると、世界では80以上の国・地域で性的指向による雇用差別を禁じており、先進7か国(G7)で法的にLGBTへの差別を禁止していないのは日本だけ。
先日のG7サミット首脳宣言にもLGBTへの差別に対処する必要性が明記されています。独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)の内藤忍副主任研究員は、
「差別やハラスメントが法律で明確に禁止されていないこと自体、日本は国際的に見てガラパゴス状態」と指摘しています。
5年前も自民党保守派の反対で法案は党の承認は得られかったそうですが、
今回は党の理解はこれでも進んだ方だという声もあるそうです。しかし、「全国の100以上の自治体で同姓カップルを認めるパートナーシップが導入され、企業のLGPT施策の進む中で、自民党の周回遅れの議論と現実との差はむしろ広がっている」と奥野記者は述べています。
奥野記者は最後に「ある支援者の言葉が耳に残る」と結んでいます。
「若い子たちが心配。日本に生まれなきゃよかったと、思わないといいけど」・・・。これからLGPTのキャリアコンサルティングもするかもしれないと思うと、
考えてさせられる記事でした。
参考文献:「社会正義のキャリア支援」図書文化社・下村英雄著
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