こんにちは。
キャリアコンサルタント佐渡治彦です。
本日は、「社会正義(Social Justice)のキャリアコンサルタンティング」について、お伝えします。
現在、世界のキャリアコンサルティングの潮流は、「社会正義(Social Justice)のキャリアコンサルタンティング」です。
日本では、まだ聞きなれないキーワードです。
キャリア発達とキャリア教育・キャリアガイダンスのあり方に関する研究分野において日本の第一人者であり、日本キャリア教育学会会長、日本産業カウンセリング学会監事でもある独立行政法人 労働政策研究・研修機構 下村英雄主任研究員は、キャリアコンサル「社会正義(Social Justice)のキャリアコンルタンティング」2000代以降現在まで、以下の通り解説されています。
【社会正義のキャリアコンサルティングの背景】
OECD(経済協力開発機構)、ILO(国際労働機関)、世界銀行でなどの国際機関では、必ず取り上げられているテーマです。
現在では、ILOではトップのテーマで掲げているそうです。
なぜ、今、「社会正義のキャリアコンサルティング」なのでしょうか?
それは、1990年以降、バブルの崩壊、リーマンショックと日本だけでなく世界的に社会状況が、激変していることが挙げられます。
また、日本の社会でもダイバーシティー化、LGPT等、多様、少数派の価値観を尊重しなければならない時代になったこと、格差社会という社会問題が顕在化されてきたことも挙げられます、
それまで社会が比較的安定していて、個人の自己実現、好みや価値観を実現させることが重要だった時代から不安定で流動的な過ごしにくい環境になってきました。
そういう認識の下では、むしろ社会にもう少し目を向けて個人を支援していくべきなのではないのかという 反省、議論が生まれていきました。
これが、「社会正義のキャリアコンサルティング」の背景だと下村氏は述べています。
【社会福祉的キャリアコンサルティングとは】
キャリアコンサルタントの原点は、資本主義社会における利益追求を目的とする生産性の向上を主眼に置いたキャリアコンサルティングです。
このようにキャリアコンサルティングのイデオロギー的原点は、資本主義です。
しかし、現代は「市場原理に基づいたキャリアコンサルティングから社会福祉的キャリアコンサルティング」を訴える研究者もいるそうです。
なぜなら、これまでキャリアコンサルティングと言っても、われわれは無意識のうちに競争を駆り立て、適応を強いるような働きをしてきたのではないかという批判が、ヨーロッパの研究者を中心に出されるようになったからだそうです。
適材適所でその人に合った職業に就かせ、キャリア発達を順風満帆に送れる人達がいることはいいことであり今後も目指すべきことです。
しかし、そこには何か無反省に競争を駆り立てている面があるのではないのか、そこから、こぼれ落ち込んだ人、残念ながらうまくいかなかった人に十分に考えていくべきではないのかという発想がが「市場原理に基づいたキャリアコンサルティングから社会福祉的キャリアコンサルティング」の考え方を生み出した背景にあるということです。
現在、新型コロナウィルスで非常事態です。
これから、企業の従業員の解雇など厳しい環境になると思います。
キャリアコンサルタントにもこの社会正義のキャリアコンサルティングの姿勢がより、一層、求められると思います。
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