こんにちは。
キャリアコンサルタント　佐渡治彦です。

「仕事にやりがいが見つからない」と感じる若い相談者の話を聞くことがあります。
そんな時、お話しするのは、忘れてはならないのは、「やりがい」というものが、必ずしも仕事の先に待っているわけではないという現実です。

多くの人が「やりがい」を求めて転職を繰り返すものの、その「やりがい」はなかなか見つからず、挫折感や不満が募ることが多いのも事実です。
しかし、ここで考えてほしいのは、やりがいは探すものではなく、働く中で「ついてくるもの」であるという視点です。

今回は、「やりがい」について考えてみます。

1. 🎖️やりがいは後からついてくる

仕事にやりがいを求めることは悪いことではありませんが、そのやりがいが「すぐに」見つかるとは限りません。
実際、やりがいを感じるには時間がかかることが多いのです。

特に新しい仕事や環境に飛び込んだばかりの時期は、仕事の全体像が見えず、自分の役割が曖昧に感じることがあります。
そのような時期に「やりがいがない」と感じるのは自然なことです。
しかし、その段階で諦めてしまうのではなく、まずは目の前の仕事に集中して取り組むことが重要です。

そうすることで、やがてその仕事の中で自分の意義や役割が見えてきて、やりがいが「ついてくる」ことがあるのです。

有名なレンガ積みの作業員の話があります。

レンガを積んでいる作業員に
「何をしているのですか？」と尋ねた際の３人の回答があります。
作業員A：「レンガを積んでいます」
作業員B：「レンガで壁を造っています」
作業員C：「新ししい教会を建設しています」

皆さんは、仕事をする上で、どの作業員の気持ちでいますか？
作業員Cの気持ちでいられると、仕事のモチベーションもあがりますよね！

そうなるには、まずは、目の前の仕事に集中し行うこと。
そうすることで、自分の役割、意義の「やりがい」は、後から、ついてくると思います。

2. 💬すべての仕事にやりがいを求めるのは非現実的！？

現実的に考えると、すべての仕事にやりがいを求めることは難しいです。
どの仕事にも、単調でつまらないと感じる部分や、逆に難しくて苦痛を感じる部分があります。
それでも、その仕事を通じて得られるスキルや経験、人間関係などが、後々のキャリアにおいて大きな財産となることが多いのです。

やりがいを求めすぎることで、逆に「やりがい」を見つけられなくなることもあります。

仕事にはやりがい以外にも、安定した収入や社会的な繋がり、成長の機会といった様々な側面があります。
これらを総合的に評価し、自分にとって最も重要なものが何かを見極めることが大切です。

3.👥 やりがいは他者との関わりから生まれる

やりがいを感じる瞬間の多くは、他者との関わりの中から生まれます。

自分一人で黙々と仕事をしている時よりも、同僚や上司、クライアントとのコミュニケーションを通じて得られる達成感や感謝の言葉が、やりがいとして感じられることが多いです。
そのため、職場での人間関係を大切にし、積極的にコミュニケーションを図ることが、やりがいを感じるための一つの方法です。

逆に、人間関係を避けてしまうと、仕事がただの作業に感じられ、やりがいを見つけることが難しくなります。

人間関係とは、煩わしく、この言葉自体、あまり好きではないのですが、いくら、SNS、オンライン、AIが発達しても、仕事は人と人が交わるものです。
より良い人間関係を構築するには、コミュニケーション能力は必要です。

4. 🖥️やりがいを感じない時の対処法

それでも、どうしてもやりがいを感じられない時期はあります。
そのような時には、まず自分自身の期待値を見直すことが必要です。

「やりがい」は一時的な感情ではなく、長期的に積み重ねていくものです。
目の前の仕事に全力で取り組み、少しずつ自分の役割や意義を見出す努力を続けることが大切です。

また、仕事以外の場でやりがいを見つけることも一つの方法です。
趣味やボランティア活動など、仕事とは別の場で充実感を得ることで、仕事に対する心の余裕が生まれ、やがて仕事にもやりがいを感じられるようになることがあります。

5. 💼転職は最後の手段

どうしても今の仕事にやりがいを感じられない場合、転職を考えることも一つの選択肢です。
しかし、昨今は、転職が当たり前の風潮がありますが、転職はあくまで最後の手段です。
すぐに決断するのは危険です。

なぜなら、新しい職場でも同じようにやりがいが見つからない可能性があるからです。
まずは今の職場でやりがいを見つけるための努力をし、それでも改善されない場合に限り、次のステップとして転職を考えることが賢明です。

🚀終わりに

やりがいを探し求めることは大切ですが、そのやりがいは働く中で徐々に見つけるものだということを忘れてはいけません。

すべての仕事がやりがいに満ちているわけではありませんが、どの仕事もあなた自身の成長に繋がる重要な経験です。

短期間でやりがいが見つからないからといって焦らず、まずは目の前の仕事に全力を尽くし、その中でやりがいを見つけていく姿勢を持ちましょう。
それが、長期的に見て本当の意味でのキャリアの充実に繋がるはずです。

いつまでも、「やりがい」という青い鳥を追いかけているうちに、時間だけが経ってしまいますよ。

このメッセージが、仕事に悩む若い人たちに少しでも前向きな行動に繋がれば幸いです。