こんにちは。
キャリアコンサルタント佐渡治彦です。
キャリアコンサルティングを企業に提案していると、しばしば
「キャリアコンサルティングをすれば、営業パーソンの営業目標の達成をコミットしてくれるのか?」
といった質問を受けることがあります。業界に問わず、いわゆるキャリアコンサルティングに数値目標達成をコミットを要求されることがあります。
この回答は、教科書通りに言えば「NO」です。
数値目標達成のコミットはできません。
最近、「ダイエットで3月以内に10KG減量できなければ、費用全額返金」
「学習塾でも大学合格しなければ、授業料全額返金」といった、強気の広告を目にすることがあります。これは、これで企業努力でコミットしているわけで良いと思います。
この考え方をキャリアコンサルティングに当てはめるのは、基本的に違います。
なぜなら、キャリアコンサルティング業務は、「準委任契約」だからです。
よく「準委任契約」と「請負契約」と比較されるケースがあります。
「準委任契約」と「請負契約」と最も大きな違いが、仕事に対する完成義務の有無です。
「請負契約」では、受任者は受けた業務を完成させて、納品する義務があります。
一方「準委任契約」では、受任者は業務を遂行すること自体が目的であり、業務を完成させる義務は発生しません。
例えば、建築業者が1年後に家の建築を完成させる契約を結べは、「請負契約」であり、建築業者には1年後までに家の建築を完成させる義務が発生します。
一方、キャリアコンサルティング業務などの「準委任契約」では、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。(復受任者の選任等)
つまり、誠心誠意に業務あたることが義務とされているわけで、業務を完成させる義務は発生しません。
従って、数値目標達成のコミットはする必要はないのです。
もちろん、キャリアコンサルタントの中には、数値目標達成をコミットする人もいるかもしれません。
企業の中には、数値目標達成をコミットしないのに、費用をキャリアコンサルティングに支払うことに躊躇する企業もあるでしょう。
私は、「数値目標達成をコミット」するような提案はしません。
なぜなら、安易なその場しのぎの約束に責任を持てないからです。
やはり、企業向けのキャリアコンサルティング(セルフ・キャリアドック制度)の原点は、企業、社長の経営方針、理念をよく把握して、現状のクライアントの仕事内容をお聞きしながら、いかに、主体的、自律的に会社の生産性向上に貢献できるかの行動に移すかの「気づき」を与えることだと思います。
キャリアコンサルタントも企業に対して、安易な約束をすることは慎むべきだと考えます。
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