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ラッツの「第5の波」

こんにちは。
カリエーレ・コンサルタンツ、キャリアコンサルタント佐渡治彦です。

前回のブログで、ラッツは「社会正義」のカウンセリングは、「第5の波」と位置付けていると述べました。
https://note.com/haru07060715/n/nd33811787e31

ラッツは、カウンセリング心理学を以下のような5つのムーブメントに整理します。

1.精神分析
2.認知行動
3.実存ーヒューマニスティク
4.多文化
5.社会正義

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「1.精神分析」ー「2.認知行動」ー「3.実存ーヒューマニスティク」の「第3の波」の流れは、概ね心理学の標準的な考え方です。

ここから先の「第4、第5の波」は心理学者によって分かれます。

このブログでは「1.精神分析」ー「2.認知行動」ー「3.実存ーヒューマニスティク」は多くを触れません。

ラッツは、「第4の波」を「多文化」、「第5の波」を「社会正義」と位置付けました。

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日本の社会正義のキャリア支援研究の第一人者、労働政策研究・研修機構キャリア支援部門主任研究員、下村英雄氏によると、日本の心理学では、この「第4の波」の「多文化」から「第5の波」の「社会正義」への流れが、ほとんど紹介されていないそうです。

現在、日本のキャリアコンサルティングでは「自己実現」を目的とする考え方である「3.実存ーヒューマニスティク」の段階であるそうです。

では、今、世界で何故、自己実現に焦点を合わせる第3の波である「実存ーヒューマニスティク」の心理学が批判され、次の波である「第4の波」の「多文化」、「第5の波」の「社会正義」に発展しているのでしょうか?

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その理由は、自己実現の在り方そのものが、その人の属する文化、環境、集団によって大きく変わってしまうという点が問題になるということです。

豊かな環境で育った子どもと貧しい環境で育った子どもとでは、ものの考え方や将来の夢の見方が違ってきます。

つまり、自己実現と言っても、それは社会的経済的な影響を鋭く受けるといういうことを重視するわけです。

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ラッツはこのことを有名な心理学用語「基本的な帰属の錯誤」という用語で説明しています。

「基本的な帰属の錯誤」とは、人間は性格、価値観、意識など過度に内面に原因を求めるという傾向にあるということを指すものです。

現在の日本のカウンセリング心理学では、第3の波である「実存ーヒューマニスティク」の段階ですが、「基本的な帰属の錯誤」の考え方では、過度に内面の要因を重視しすぎているというわけです。

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「基本的な帰属の錯誤」の考え方ではなく、もっと、本人の育った環境や文化の重要性を考えるべきであるということ、
突き詰めると、各人の育った環境や文化の多様性を重要視する考え方が大切ということが、ラッツの考え方です。

いろいろな環境や文化があるのだから、単一な環境や文化を前提に考えるのはおかしいという考え方が、ラッツの「第4の波」の「多文化」、「第5の波」の「社会正義」の段階に繋がっていくのです。

現在、行き過ぎた白人至上主義を見直し、ダイバーシティ、LGBTなど多様性の価値観を重視する世界の流れは、日本人も理解できるのではないでしょうか。

参考文献:「社会正義のキャリア支援」図書文化社・下村英雄著

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